受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

宗教、死後の世界、超能力(その4) 天地創造の謎

さて、統一教会でSが話し始めたこと、それは天地創造の話だった。
(以下、受験老人の記憶ももう大分薄れており、詳細は不正確。御勘弁を。)


「聖書には、こう書かれています。


「神は、『我々の姿に似せて人間を創ろう』と言った。
そして、最初の人間であるアダムを創り、
アダムの肋骨からイブを創った。」


でも、不思議だと思いませんか。
『我々』と複数形になっていますね。なぜでしょうか。」


・・・・ありゃっ。本当だ。キリスト教の神様って、1人じゃなかったっけ。
まさかギリシャ神話とかローマ神話のように、多くの神々がいたのか??
こりゃ、誤植かもしれない。


しかし、その答えは、ほどなく分かった。


「実は、人間を創る前に、神以外にも、その場にいた者がいるのです。
それは・・・・・精霊。
いわゆる、天使たちのことです。
彼らは神と一緒にいて、神の僕のような存在だったのです。」


・・・・へえっ、そうか。それなら分かる。
まあ、キリスト教の宗教画には必ずと言っていいほど天使が描かれているよな。


「ところが、その精霊が、問題を引き起こしたのです。」


・・・・そんな話、聞いたことないぞ。


「アダムとイブはエデンの園に住むことになりました。
そこには命の木と知恵の木という、2つの木がありました。
命の木の実を食べれば永遠の命がもたらされ、
知恵の木の実を食べればいろいろな知識がつくことになります。
つまり、アダムたちは命の木の果物を毎日食べていたおかげで、永遠に若くいられた。
でも一方で、知恵の木の実は神から絶対に食べるなと言われていました。」


・・・・受験老人はそうしたくだりはまあまあ知っていた。
まずイブが蛇に誘惑されて知恵の木の実を食べてしまい、
それをアダムにも食べさせ、お互いに恥ずかしくなって裸の体を隠した。
そのせいで神に禁を破ったことがばれて、エデンの園を追放されたということを。


だが、Sはそうしたくだりを一通り述べた後、受験老人に尋ねた。
「この『蛇』って、何だと思いますか。なんでこの蛇はイブを誘惑したのでしょうか。」


・・・・受験老人は答えられなかった。まっどうせフィクションだからと。
だがその後、Sが語ったことは、明らかにそれまで受験老人が知らなかったことだった。
まさに、それはキリスト教を貫き、その底に流れる、あるどす黒い見方だったのだ。


(次回に続く)