受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

コロナに救われた??

受験老人は、偉そうにブログを書いているものの、実は集団生活が苦手である。
ややもすると、コミュニケーションに失敗し、ストレスがたまりがちなのだ。


人間というのは本来、社会的動物だ。
言葉を使って考え、人と会話して情報を知ることで他の動物から進化してきた。
だから、人は本来、集団で生活するようにできている。
1人で生きるのがいいと言っても、身の回りのものは全部他の人が作ったものだ。
また、パソコンやスマホで情報を求める。全く世の中と遮断されては生きられない。。


だが、人と接することによりストレスも生じる。
ぎくしゃくした関係になると、さらにストレスが昂じる。
ストレスがたまらない、よい人間関係、職場関係、生活関係を築くのは結構難しい。


受験老人は、元来人づきあいのいい方ではない。
かつて正職員として働いていた時は、個室っぽい部屋で過ごし、静かに思索を巡らせ、妄想に耽ったりできた。
疲れると部屋の冷蔵庫からお菓子を取り出してバリバリ食べることができた。
そのような形での仕事は居心地がよく、休日もほとんど出勤し、そこで寝泊まりもした。
ストレスはほとんど感じなかった。


だが、再就職になり、大勢の人たちと大部屋で過ごすようになると、そうしたワガママもできなくなった。
皆に受験老人の一挙手一投足を見られているような気がした。
皆が気を遣ってくれるのだが、迷惑をかけているようで、居心地はあまりよくなかった。
自分は何でもやるよと言っても、皆、遠慮して受験老人にはあまり仕事を振ってこない。
皆がコロナ対応で超忙しくしているのを知っているだけに、何でもするつもりだったが。


このため、皆に気を遣わせないように、極端に早く出勤し、早く帰ることにした。
ちょっと気が引けるが、自分がいない方が皆がゆったり仕事ができると思って。
ただ、全力で仕事ができず、何とも歯がゆい気持ちが強くなった。
ううむ、再雇用ってこんなものか・・・・受験老人の中でストレスがたまってきた。
(おかげで、早く家に帰って予備試験の勉強には集中できたが。)


・・・・そんな時、コロナ騒動が昂じ、緊急事態宣言も発令された。
テレワークが推奨されるようになり、受験老人も週に2日ほどの出勤になった。
自宅に書斎を整え、そこに入り込んで仕事ができるようになった。


すると、以前、働いていた時の感覚が戻ってきた。
誰にも邪魔されずに個室で仕事をすると、大いに集中できる。全く違和感はなくなった。
そして、いろいろな調査を家でやるようにして、皆に配ると、結構いろいろな人たちから感謝されるようになった。


そして、たまに、1週間に2度ほど出勤すると、それはそれで新鮮になった。
出勤者も少ないため、ストレスも感じない。自分の業務に集中できる。
面と向かって根を詰めて話さねばならない人とのコミュニケーションはそこでとる。
そして必要な資料はコピー等をして持ち帰る。


あとは家で作業し、必要なコミュニケーションは基本的にはメールでやり取りする。
それだと逆に自分のペースで多くの人たちと同時にネット会話ができる。
面と向かっての会話が苦手な受験老人にはありがたい。


不謹慎だが、受験老人はもしかすると、コロナに救われたのかもしれない。
こうしてコロナ後も仕事のスタイルが変われば、ストレスなく継続できる。


ただ、こんな状態で医師や弁護士になれるのかと言うと、はなはだ心もとない。
医師や弁護士は患者やクライアントと直に接してナンボの商売である。


そうだっ、いいことを思いついた。
コロナをきっかけに、今後はネット医師、ネット弁護士というのが流行り出すだろう。
それで患者やクライアントとやりとりすればいい。
思いっきり低料金にすれば、人々のためにもなるぞ。


そうほくそ笑んだ後、あることに気づいた。
対面にしないでいいとなれば、あっという間にAIに駆逐されてしまうかも。
そう思って、愕然とする受験老人なのであった・・・・。



p.s.
百田尚樹の「カエルの楽園」の続編が土日だけネットで見られるというので、昨夜夜更かしして一挙読みしてしまった。
https://ncode.syosetu.com/n4198gf/
今回のコロナ騒動が中心テーマになるが、いつものような野党やA新聞への批判だけでなく、現政権への批判も存分にしている。なんか普通の評論よりはるかに現実をエグっていると思う。