受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

調子のいい人たち

知り合いが、WHOのテドロス事務局長のコメントの推移について教えてくれた。


<テドロス語録>


「人から人への感染リスクは少ない」(1/19)
「緊急事態には当たらない」(1/22)
「WHOは中国政府が迅速で効果的な措置を取ったことに敬意を表する」(1/28)
「中国から外国人を避難させることは勧めない」(1/28)
「国際社会は過剰反応するな」(1/28)
「渡航や貿易を不必要に妨げる措置をするべきではない」(1/31)
「人の行き来を維持し国境を開放し続けるべきだ」(1/31)
「中国の対応は過去にないほど素晴らしい」(1/31)
「中国の尽力がなければ中国国外の死者はさらに増えていただろう」(1/31)
「中国の対応は感染症対策の新しい基準をつくったともいえる」(1/31)
「習近平国家主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」(1/31)
「中国国外の感染者数が少ないことについて中国に感謝しなければいけない」(1/31)
「大流行をコントロールする中国の能力に信認をおいている」(2/1)
「武漢は英雄だ」(2/4)
「致死率は2%ほどだから、必要以上に怖がることはない」(2/8)
「特定の地域を連想させる名前を肺炎の名称とするのは良くない」(2/12)
「中国のたぐいまれな努力を賞賛する」(2/13)
「新型ウイルスは致命的ではない」(2/18)
「パンデミックには至っていない」(2/24)
「中国の積極果敢な初期対応が感染拡大を防いだ」(2/27)
「感染予防にマスク着用不要。マスクをしていないからといって、感染の可能性が必ずしも上がるわけではない」(WHO 2/28)


 ↓ 


「われわれは最初の機会を無駄にした」(3/25)
「1か月前か2か月前に対応していなければならなかった」(3/26)
「マスクを使うべきかの指針に変更を加えるべきかどうか見極める」(4/3)
「マスクは特効薬でない。パンデミックを止めることはできない」(4/7)
「このウイルスを政治問題化しないでほしい」(4/8)
「攻撃は台湾から来た。台湾の外交部は知っていたが、何もせず、むしろ私を批判し始めた」(4/8)
「われわれは天使ではなく、人間なので間違えることもある」(4/9)
「みなさん、ハッピーイースター!」(4/13)
「当初からヒト・ヒト感染に重点置いた」(4/14)
「我々は隠し事はしていない」(4/21)
「我々は最初からコロナは人類が立ち向かう悪魔だと言ってきた」(4/21)
「各国はコロナを政治利用するな」(4/21)
「1人の命も無駄にできない。今こそ声をあげよう、もうたくさんだ!」(4/21)
「私たちはウイルスと長い間つきあうことになる」(4/22)
「世界は私たちがいた元の姿に戻ることはできないでしょう。『新しい日常』になるはずです」(4/23)
「世界はあの時、WHO(の忠告)に注意深く耳を貸すべきだった」(4/27)
「WHOが最高の科学と証拠に基づき当初から適切な忠告を出してきた」(4/27)


・・・・どうだろうか。
最初の頃は、感染は局所的だと楽観視し、いつまでもパンデミック宣言を行わなかった。
早いうちから警告を発していた台湾を、不安感を増長させると非難した。
初期対応が遅れた中国のことを、すばらしい対応だと絶賛した。
(中国は同氏の出身のエチオピアに多額の寄付を出している。)
マスクはつける必要がないと断言した。
・・・・
なのに、いざ各国で感染者や死者が爆発的に増え、自分の責任が危うくなると、
WHOは昔から警告を発していたのに、各国がそれに従わなかっただけだと、
過去の自分の発言は棚上げし、勝手にキレまくった。


・・・・まあ、全く調子のいい人である。
自分に非があると思うなら、ちゃんと謝ってもらいたい。


そう言えば、日本の政治家だって、自分の言葉に責任を持たない人があまりに多い。
大胆な政策を早く打ち出さず、後でつじつま合わと言い訳に奔走する与党。
調子のいい人たちである。


☞なぜあんなマスク2枚で500億円もかかったのか。(後で90億に修正したが。)
総理が毎日登場して手作りマスクの作り方を実演すればいいだけだろ。
福井県を見てみろ。毎月100枚ずつだぞ。


☞なぜコロナ検査をもっと多数行わないのか。韓国を見てみろ。はるか昔からドライブスルー方式をやっていた。実はもう日本は100万人くらい感染してるのではないか?


☞なぜパチンコ屋を早く規制しない。3密そのものじゃないか。東京都や大阪府は国がやらないから困っているぞ。


☞なぜ休業補償しない。地方交付金を各自治体に出してそれぞれが支援をすればいいではないか。


・・・・・もし、間違っていたと思うなら、「間違っていました。」と素直に認め、そして改めてもらいたい。それが信頼される政治家の条件だ。
(間違いを認めない官僚だってたちが悪く、調子いい。)


ただ、野党だって調子いい。
与党のアラ探しばかりする。どんなことにもケチをつける。
それによって自分たちは立派であるとアピールする。
もし自分たちが政権を取っていたら、本当にもっと立派なことができたのか???
悪いことは批判したらいいが、いいことはいいと認める度量も必要だ。
また、批判だけでなく、きちんとした根拠に基づく代案が必要だ。


さらに調子のいい人たち。
最近テレビを賑わす専門家の人たち。コメンテータの人たち。
彼らは責任がない。だから好きなことを言える。


気になるのは、いつも国や政府の批判しか口にしないコメンテータ。
私だって、国のやり方がおかしかったり遅かったりと思うところは大いにある。
ただ一方で、行政もいろいろいいことをやっている。その部分はあまり口にされない。


何かあった後で批判するのはやさしい。しかし事実の一方しか見ていないかもしれない。
外国のよいところばかりを声高に言い、日本のことを徹底的にけなす。
本当に日本の国はそんなに悪いのか。


・日本はどうして強制的な禁止措置を取らず自粛だけしか要請できないのか。(法律の問題?)(人権問題?)
・困っている人々にどうしてもっと大盤振る舞いできないのか。(消費税率の差?)
・それにもかかわらずどうして他国より圧倒的に死者数が少ないのか。(国民が頑張った?)(国家がそれを見越し要請した?)


まあ、いろいろな視点から、じっくり考えなければいけない。
コメンテータは、日本の悪いところばかりを強調し、そして言いっぱなしである。
じゃあ自分たちはどうなのか、批判できるほど立派なのかと言ってやりたくなる。


・・・・ただ、よく考えると、受験老人自体、そうした人たちを批判しているが、その資格がこの私にあるのか? と思い至り、恥ずかしくなった。


受験老人も、1月末まで、中国で何か感染症が流行っているけど、まあSARSや2009年の新型インフルのように、あっという間に収束するだろうとタカをくくっていた。(多くの人たちもそうだったろう。)
3月には日帰りでスキーに行った。3密ではないからいいだろうと。(大いに反省!)
・・・・自分のことを棚に上げて、人の批判をする。全く自分も調子いい。


そう言えば、受験老人の公約。
つまり短期間で医学部と司法試験に合格するぞという公約はもろくも瓦解した。
とてもじゃないが、両方とも、特に司法試験は合格ラインははるか上である。
・・・・読者の方々には謝らねばならぬ。


人を批判して自分が浮かび上がる、調子よい奴になるのでなく、
地道にコツコツやり、不言実行、いや少なくとも有言実行になろうと思う。
だが、なかなか。
せめて自分の言葉には責任を持ちたいものだ。