受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

ペースダウン


11月下旬・・・・この日記も現在にほとんど近づいてきた。


ここまで遅れ気味ではありつつも、何とかペースを守って進めてきた私こと受験老人の勉強だが、この時期になって、突然、ペースダウンしてしまった。


理由は仕事。
 


仕事のことは、これまであまり話していなかったが、どっこい私も仕事を持っている。ある程度マイペースでできるところは職場に感謝しなければならないが。


しかし、普通には忙しい。


私の職場では、おそらく他の人々は、平均して夜9時か10時ごろまでは仕事をしている。あまり残業代ももらっていないだろう。


私は普段、夜7時頃には職場を出ている。1時間半かけて帰宅するが、その間が最大の勉強時間になっている。そして家で夜と朝、計5時間ほど勉強する。


その分、土日に出勤して平日やり残したところをカバーしている。もちろん休日手当はもらわない。その代わり最近は皇居勉強ウォーキングという楽しみが加わったが。


 
ただ、忙しくなってきた。自分で勝手に仕事を増やしたり、人から頼まれたりした部分もあるが、絶対的仕事時間が不足し始めた。


その間、帰省も重なった。それがますます仕事を遅らせた。


仕方ないので夜遅くまで仕事をがんばり、仕事場を夜11時頃出て、家に帰るとすぐ寝る生活になった。


センター試験が近づいてきた今、このペースダウンは痛すぎる。


 
そこで、やむなく私は、完全な10分間勉強法に切り替えた。10分間ずつなら、全部の科目を続けていける。


そのかわり、通勤時に必死に勉強しなければならない。


かばんの中に何科目も詰め込み、持ち運んだ。かばんはパンパンに膨れ上がり、ものすごく重くなった。


その中身を見た人はきっと仰天するだろう。医学部入試と予備試験の参考書類が山ほど入っている。仕事をする者の中身には到底思えない。


受験老人のかばんは3-Way方式で、持ち運び時には肩からリュックのようにかついでいるが、とてつもなく重い。歩いただけで筋力トレーニングになる。


 
しかし、とうとう肩にかける紐が音を立てて千切れてしまった。


・・・・やっちまった。


私はあきらめ、かばんの中身を減らした。するとスッキリしたものの、できない科目が出てきた。


まあ仕方ない。そのうち取り戻すしかない。