受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

大阪城勉強法


受験老人は先日、個人的な用があって大阪に行った。


大阪には万博以来、何回か来たことがあるが、あまり大阪の名所には行っていない。


今回は仕事ではなかったため、比較的時間があった。そこで、まだ行ったことのない場所の一つ、大阪城を見に行くことにした。
 


宿から電車に乗って天満橋で降りた。


地上に出て角を曲がった。すると、早くも遠くに城が浮かび上がった。それは緑色に燦然と輝いていた。
 


さて、ここからが受験老人の本領発揮だ。リュックから1科目目を取り出すと、それを読みながらのウォーキングを始めた。


もう12月も近い。空は太陽が雲間から顔をのぞかせていたが、風はあくまで冷たかった。


城の周りには巨大なお堀が広がっている。これを一周すると皇居より広いのではないかとも思われた。(実際にどうなのだろう?)


ここをランニングする人たち、散策する人たちがいるのは皇居と同じだった。


そんな中でも受験老人は異色を放っていた。つまり歩きながらの勉強である。


 
外濠を歩いていると、より内側に入るためのゲートがあった。真正面に大阪城が見えている。とりあえず入ってみることにした。


すると・・・・いるわいるわ、芋の子状態に人々がひしめき合って歩いていた。修学旅行の学生や外国人の団体が目についた。


仕方なくいったん勉強中止。前を向いて歩く。


 
大阪城の真正面に出た。おおうっ、天守閣が秋空にそびえ立っていた。すごい眺めだ。消失したため再建されたというが、これまで私が見たどんなお城よりも立派に見えた。(正確に言うと姫路城(白鷺城)に比肩するか?)


大河ドラマの「真田丸」や、好きな作家である万城目学の「プリンセス・トヨトミ」や「とっぴんからりの風太郎」などが思い出された。


ここに来たからには皆、天守閣に上って眺めを楽しみ、美術館を楽しみ、さらに土産物等を物色するのが典型的だろう。


だが、どっこい受験老人はそうはいかない。金をかけずに楽しむのだ。


 
お濠を見下ろすところに石のベンチがあり、そこに座って2科目目を始めた。


お濠がずいぶん下に見えた。これなら船に乗って侵入しようとしても、岸について上がってくる途中で弓矢の餌食になっただろう。大阪城が難攻不落と言われたゆえんだ。


風が気持ちよく、そこにしばらく寝そべった。


そして、私は城から離れ、内濠に沿って歩いていった。とてもいい散歩道である。


道に沿って生えている銀杏やその他の木も黄色や赤色に色づき、とても綺麗だった。


ああ、こんなところを毎日散歩できたらなあ・・・・と思いつつ、まっ自分には皇居周りがあるかと思い直した。


 
その後、3つ目の科目をやりつつ、外濠からずっと歩いて京橋まで行き、そのまま宿へ戻った。


宿泊している部屋からのドアtoドアで計4時間程度の工程。まあまあ楽しく勉強が進んだのだ。