受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

学士編入試験を受けた

(本件は「再受験をした」というタイトルでいったん掲載したが、「再受験」は一般入試のことなので間違いであり、タイトルのみ変更した。)


先日、ある大学の医学部の再受験をした。学士編入試験だ。
その大学は今年、一般入試で受験して合格最低点を上回っていたものの面接で最低評価となったため落とされたところだった。
まあ、一種のリベンジだった。大学側も、一般入試で落とした者が、学士編入試験で再チャレンジしてくるとは想定していなかったかもしれない。


両親の介護やら海外出張やら学会出張やら再就職の申し込みやら司法試験の準備やら一般入試の準備やらがある中でのことだった。当然、対策のための密度は薄くなった。その中で統計と大学の物理と化学、そして何よりも生物を一から勉強しなければならなかった。


ただ、2週間ほど前からは他の全てのことを全てシャットアウトしてこの勉強のみに集中した。動画で高校生物、大学生物、統計に関するものを200本近く見て全てノートに書きとり、覚えた。
一日の睡眠時間が3時間くらいになった。
結構過酷だったが、不思議とつらくなかった。新たに勉強できる喜びがあった。


受験老人はセンター試験は物理と化学で受けていたが、この勉強をしたことで生物でセンターを受けようかという気になってきた。果たしてどうか。
統計は、難しい。カイ二乗検定、ティー検定、フィッシャー検定、ポアソン検定・・・・どれも使い方が異なり、推定や検定方法が異なる。受験老人はやればやるほど混乱した。
大学の物理や化学はこれまでの大学入試の勉強がずいぶん役に立ち、それに加えて新たにやる部分は少なかった。


しかし、あまりにも準備期間が短かった。知識がほとんど定着していなかった。
試験問題を解きつつ、ああ、もう一週間でも余分に勉強できていたらと思うことばかりだった。


試験が終わったのち、他の人と話してみた。どうやら再受験する人たちは一か所だけでなく何校も受けているようだ。このためどの会場でも同じ受験生に会い、受験生同士で仲良くなることもあるとのこと。
私のようにこの大学一本に絞って再受験するのは特殊であり、効率も悪いということだ。
ただ、厳しいことに、そうして何校受けても、落ちる者は落ちるし、受かるのはいつも同じ者が受かる。就職の内定と同じだ。


一次試験の合格発表はもうすぐだ。おそらくこれで20人に1人くらいだった倍率が4人に1人くらいには絞られるだろう。受かる見込みは少ない。
そしてたとえ一次試験で受かったとしても、その後、二次試験では面接がある。
こちらの方では、確実に落とされるだろう。一般入試と違って成績開示もないから。


何のために受けたのか。
まあ自分としてはもう一度、面接で自分の気持ちを訴えたい思いがある。それが大きい。
しかし、こうして受験したことで、新たに自分の能力は増したと思う。そのためのきっかけを与えてもらえただけでも再受験の意義はあったと思う。


さて、とりあえず片荷は降りた。これからは1か月後に迫ったセンター試験対策に集中しよう。これも始めるのが大いに遅れてしまった。
昨年のセンターは8割3分。少なくともこれはオーバーしないと話にならない。
今からどれだけこれに追いつき、そして追い越せるか。
ただ受験老人は去年、勉強した経験があるので、今から始めてもなんとか追いつけそうな予感はしている。
よしっ、始めよう。