受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

がんと取り組む

昨日から3日間、受験老人は京都に来ている。がんについての学会だった。
私は以前は毎年この学会に参加していたが、最近は参加していなかった。
久しぶりに出たが、がんに対する研究のやり方や実際の医療も以前とずいぶん変わったような気がする。


1つ目はがんの遺伝子パネル検査。つまり他の方法が期待できなくなくなった時、がんに関連した遺伝子を調べ、その変異に応じて特定の治療法ができるようになった。


2つ目は免疫療法。がんに特異的な抗体を見つけ(というか自己の本来の細胞以外は全部たたくような機能をつけ)、がんを根絶させるやり方である。


こうしたやり方で、ずいぶんいろいろながんが治るようになってきた。以前はがんは不治の病だと言われていたが、今は5年生存率は50%を上回っている。


でも、まだまだがんによっては生存率が低いものも多い。変異に応じた治療法が見つかっているものも特定のがんだけだし、免疫療法を行っても完全に治らない場合も多い。


だから今後も遺伝子変異に応じた治療法をどんどん見つけていかないといけないし、免疫療法は他のいろいろな療法を組み合わせて治癒率を100%に上げていかねばならない。
その場合、AIがすごく力を発揮するだろう・・・・


こんなところが、私が今回の学会で得たことだった。
私のブログの読者の中に、膵臓がんにかかって余命半年と宣言された女の人がいた。
その人は治療をあきらめ、死を見つめて穏やかに生きる覚悟をした。
でも、その人のブログは1年少し前から途絶え、更新されていない。


ただ、もしその人が、がんパネル検査や免疫療法を受けていたらどうだったろうか。
発表ではいくつも、余命いくばくもなくホスピスに入っていた患者が治癒した例が紹介されていた。もちろん治療が奏功なかった例も多いだろう。


だが、がん患者には希望を捨てないでもらいたいと思う。
そのために医学があり、科学技術があるのだから。
そしていつの日か、たとえがんになってもほぼ100%治る日が来ることを私は期待している。
そのために自分が何かできるかと言うと極めて心もとないが。