受験をやめようか・・・・
話すのが遅れたが、実は、受験老人は、受験そのものをやめるかどうか悩んでいる。緊急事態が発生していたのである。
今から3週間ほど前のことである。故郷にいる父から連絡が入った。
「母さんが転んで腰の骨を折った。」
驚いた。腰の骨とは尋常ではない。
だんだん足腰は弱っているとは言え、また、少し認知症の症状が出始めているとは言え、まだまだ元気そうだった母だった。
私には姉がおり、やはり私と同様、父母から遠く離れて住んでいる。その姉の方に先に連絡が入ったようで、姉は飛んで帰ったらしい。
姉によると、母は圧迫骨折ということだった。ただ、ベッドで安静にしていれば1月ほどで骨がくっつき、再び歩けるようになるとのこと。
その後、特製のコルセットもでき、母も自ら立ってトイレに行ったり、電話をかけてきたりしていたので、まずまず順調に回復していると思っていた。
ところが、その後、母は痛い痛いと盛んに泣き叫ぶようになった。あんなに我慢強く見えた母が、夜昼のべつくまなくである。認知症も少し進んだようだった。
介護する父もへとへとになった。父は90歳を超えており、老老介護もその極みである。
私は、今回だけの我儘だと、不安な気持ちのままセンター試験を受け、その週末の母の世話は、姉にお願いした。
その代わり、先週は週末を含め4日間の休みをとって、妻と二人、車で西日本の故郷まで高速を飛ばした。
母は半分目を閉じたまま、私の顔を見ると、嬉しそうに微笑んだ。
ああ、どうしてもっと早く帰ってやらなかったのだろう・・・・私は激しく後悔した。
妻と一緒に食事の世話や、父の病院への付き添い、買い物、掃除、畑仕事と、あっという間に終わった。
ただ、率直に言って、認知症も徐々に進み、足も細ってとても立てそうにないように見える。父に何かあったら大変である。
それまで介護保険制度をほとんど利用していなかった両親も、利用し始めていた。
父は、ヘルパーさんにいろいろなことをしてもらえる。ありがたい。ありがたい、と、しみじみ言っていた。
私もそれまであまり考えたことがなかったが、この制度は、本当に困ったとき、実に有用なものである。
それに、介護士さんやヘルパーさんたちは、やはりプロであり、どうすればよいかよく分かっている。
ちょっと動かすだけで痛い痛いと言う母が、1週間に1度は入浴に行くようになり、その際はヘルパーさんたちは、母にほとんど痛がらせずに車いすに乗せたそうだ。
雪のちらつく中、再び車を飛ばして自宅に帰って来た時には、ふらふらになった。さすがに、受験勉強はほとんどできなかった。
私は悩み始めている。このような状況で、呑気に受験にうつつを抜かしてよいものか。
父も介護で共倒れになりかねない。我儘を言わずに、自分が故郷に帰って面倒を見ればいいだけではないか。
そのとおりである。ただ、故郷で再就職先が見つかるかどうか。勉強すること以外に取り柄のない頭でっかちの受験老人に・・・・。
とにかく、二次試験も近づいてきているが、せめて週末は姉と交代で帰省するようにしなければ。
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