受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

スキー老人

オリンピックが延期になった。
後で批判するのは簡単だが、決断に関わった人たちはそれこそいろいろなことを考え、大変な調整の末の決断だったろう。
まだ未決定のことも多く、これからもいろいろな難しい判断を強いられると思うが、関係者の努力に敬意を表したい。


このように何事も、仕切り直しというのは大切である。受験老人も仕切り直しをした。
オリンピックにちなむというわけではないが、退職で有休があるのをいいことに、スキーに行ったのだ。


朝5時頃発の電車に乗り、3時間ほどの行程だった。駅に着いてからはシャトルバスに乗り換え約1時間。
バスには大勢の若者たちが乗っていた。受験老人は明らかに浮いてしまうが、仕方ない。気持ちだけは若いつもりだ。


スキー場に着いた。白く輝くゲレンデが広がっていた。上級・中級・初級の全てのコースが開放されていた。人工雪なのだ。
スキー場のゲストハウスはクラスターの感染源の1つになっている。躊躇しなかったわけではないが、思い切って来てよかった。
このコロナ禍に平日とあって、人は本当に少ない。これなら感染のおそれはほぼゼロだろう。
そういえば、バスの中の若者たちも、大部分はマスクを着けていた。皆、よく分かっている。
スキー自体は屋外でやるため、問題はないのである。そこは誤解してはいけない。


ただし、偉そうなことを言うものの、スキー経験のあまりない受験老人は、せいぜい中級レベルまで。
若者たちのほとんどがスノボで華麗に滑る中、受験老人は加齢に(?)ハの字で訥々とした滑りを見せた。


昼になった。腹が空いた。ゲストハウスには行かなかったが、ケバブを売っていたので買った。
これが激旨。回転する羊の肉をそぎ落とし、焼いてカリカリになったものをキャベツと一緒に食べると頬の肉が落ちそうだ。
最近、まがい物のケバブも多いが、この味は、かつて欧州で働いていた頃、好んで食べたケバブの味に最も近い。


さて、1日リフト券でさんざん滑り、還暦の身体は悲鳴を上げた。
そこで太陽が傾き始めたら早めに着替えを済ませ、マスクを装着。


スキー場勉強法だっ!!
そのままシャトルバスの時間になるまでに二科目ほどを終わらせた。人があまりいないため周囲の目も気にならない。


こうして、往復の電車とバスも含め、成果は大いに上がった。やはりこうした集団の中の孤独感は勉強するのに最適だ。
帰りの電車ではもっぱら船をこいだものの。


かくして、受験老人は試験にスベり、スキーでも滑った。下手な言葉でスベってしまったか???
よし、仕切り直し完了。オリンピックも頑張れ!!