受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

正しく知り、理解すること(その3)~コロナと安倍政権

今回のブログはちょっと長く、また、一部の方々にとっては不快な内容かもしれない。
読みたい方だけ読んでもらいたい。
・・・・・・


安倍政権の支持率が急速に悪化している。なぜだろうか。


今やコロナ騒ぎで国民総評論家と化している時代である。
普段あまりニュースに関心のない人たちが、皆テレビでニュースを見るようになった。
そして、政府のとった、まずい措置のニュースはメディアで繰り返し報道された。
それは、コロナの情報を競って求める人々の記憶には残りやすかった。


私の記憶しているものでも、


・クルーズ船でなかなか手を打たず、感染者を広げた。
・春節の時期、武漢からの旅行者を大量に入れた。
・その後も習近平主席のキャンセルが決まるまで中国からの渡航を禁止しなかった。
・専門家の意見を聞かず、唐突に学校を休校にした。(子供たちにはいい迷惑。)
・世界に比べてコロナ検査の件数が伸びていないため正確な感染者が不明である。
・重篤な症状になるまで医者に行くなと言われ、死ぬ人が出てきた。
・台湾や韓国の成功例が引き合いに出され、なぜ日本はできぬかと批判された。
・緊急事態宣言の発表が遅れた。
・星野源の曲とコラボで終日まどろむ姿をSNSで流し、顰蹙を買った。
・アベノマスクに500億円以上かけた(その後減額修正)。しかもマスクはなかなか届かず、届いたものは異物が混入していた。請け負った企業の発表が遅れ疑惑をもたれた。
・自粛要請しても自粛した企業への救済措置をしようとしなかった。
・右往左往した挙句、公明党から言われてやっと1人10万円の支給を決めた。


以上、突っ込みどころは満載で、専門家はともかく、いろいろなコメンテーターがその1つ1つについて、安倍政権のまずさをさんざん批判してきた。
そして、ロックダウンできない日本はこのままではオーバーシュートになる、と煽った。
その原因の大部分は安倍政権にあるとしてきた。
この政権はダメだ。もっとしっかりした対策をしていればよかったのにと。


その結果・・・・


以下、受験老人が勝手に集計した。死者の数は、
米国   9万千人
英国   3万5千人
イタリア 3万2千人
フランス 2万8千人
スペイン 2万8千人
ブラジル 1万7千人
ベルギー 9千人
ドイツ  8千人
・・・・
中国本土 4千800人
・・・・
日本   800人


えっ??? コロナ対応優秀国と言われるドイツの10分の1????


しかも、人口当たりの死亡率でみると、日本は世界の国々に比べ、極端に少ない。


当初、クルーズ船のことがあったり、中国旅行者を大量に入れた日本は、なんと死者数でも死亡率でも他の国々を圧倒的に下回っている。


コロナ対応で成功した国の例としてよく台湾や韓国のことが引き合いに出される。
日本政府はこの両国に比べ対応が全くなっていないと、連日、政権に矢のような批判がなされてきた。
だが実は、日本は死亡率からすると、台湾はともかく、韓国と同程度の超優良国なのだ。


しかも日本のすごいのは、この結果を強制的な手法を使わずになしとげていること。
中国や韓国のように国民の監視やスマホ履歴を調べるという方法は一切取らなかった。
欧米のように都市封鎖をして厳しい罰を与えるということもしなかった。


日本と同様に自粛要請のみで免疫バリア―を築く方法を取ったスウェーデンは、今や大量の死者に喘いでいる。


欧米は日本の手ぬるいやり方を嘲笑し、これではにニューヨークの二の舞だと予測した。
ところが最近は、「日本の奇跡」と呼ぶメディアも出てきている。


受験老人は、決して今回の安倍政権の措置が優れていたとは思っていない。
このような奇跡を成し遂げたのは、
第1に、日本人の綺麗好きな性格 ~ マスク、ハグなし、土足で部屋に入らず、手洗い
第2に、日本人が自粛要請をきちんと守った
ことが大きい。


だが、政権が全部ダメだったかと言うと、そんなことはない。


春節の時期に中国からの旅行客を受け入れたとの批判はある。だが、あの時、受け入れ禁止という選択肢を、あの時、どんな政治家が取れただろうか。
今や中国の観光客で成り立っている商店や旅館は多い。その最大の書き入れ時に、受け入れをストップしていたら店は大打撃を受けていた。
そして仮に、そうした措置を取っていたとして、今回のコロナが案外大したことなく、世界に全く蔓延していなかったら、逆に政権は猛烈な批判にさらされていただろう。


また、欧米のようにロックダウンをすれば、ずっと早く感染者数は激減していただろう。だがそれは日本政府は法律上できなかった。していたら猛烈な批判にさらされただろう。


そんな中で、何とかかんとか、オーバーシュートにもならずにやってきたわけだ。
政治は結果がすべてだと言うなら、安倍政権は大いに称賛されていい。
むしろ、何も強制的にしていないことが、よかっただけかもしれないが。


政府もコロナに関し、いろいろな措置はとってきている。
だがその大部分はほとんどニュースになっていない。


妙に安倍政権の肩ばかり持ってしまった。
受験老人は決して安倍政権がうまくやったとは言っていない。


アベノマスク。あれは正直、受験老人も失敗だったと思う。
むしろマスクの作り方を首相自身が実演して見せたら国民に寄り添えただろう。


星野源とのコラボも、貴族かと批判を受けた。あれも見せ方はまずかった。
だが、首相が実際には休日だって寝る間もないくらい忙しいのはよく分かる。


マスメディアによる政権批判。
まあ、マスメディアが政権のダメさを批判したおかげで、
人々が、せめて自分たちがしっかりしないとという意識を大いにもて、奇跡的な自粛につながったという面もある。
だからマスメディアもその点は功労者だろう。


ただ、次第にコロナの収束に慣れ、自粛に飽きてきたメディアの中には、自粛措置の延長は間違っている、というところさえ出てきている。
勝手なものである。


メディア、それからコメンテーターたちに言いたいこと。
欠点を指摘するのはいいが、その前に、せめて一言だけでも、
「政権のこんな点は良かった。」と言った後で話をしてもらいたい。
でないと、正確でなく、というか、政権があまりにかわいそうだ。
決して報道されていないが、行政が今回、とった措置にはよいものもたくさんあるのだ。


それに、そんな批判ばかりして政権が下手に迎合すると、大変なことになる。


受験老人の考える、政権の一番の失敗は、1人10万円の給付金だ。
本当に困っている人々は、そのお金である程度は救われた。それはいい。
だが、何も困らずにもらえた人たちも多い。半分以上はそうではないか。
公務員は、その典型だ。
私もそう。たまたま再雇用で大きく収入が落ち込んでいるが。
それから、コメンテータ等は、批判が怖くて誰も口にしないが、年金受給者だってそう。
年金受給者は除くと言ったら、猛烈なバッシングを受けるだろう。


でも・・・・そのおかげで、国の金庫がからっぽになった。
だがそれは借金だ。いつか返さなければならない。


それは適切な形で今後、徴収されねばならない。国民はそれを我慢しなければならない。
今喜んでいる人たち、お願いだから、今後増税されても文句を言わないでもらいたい。
もしその時になって文句を言うのなら、今、受け取らないでもらいたい。
繰り返し言う。もらったお金はいつか税金で返さねばならないのだ。


ただ・・・・給付金以外に困った人たちに早くおカネが渡る方法を受験老人は考えつかないので、失敗だと偉そうには言えないのだが。


もし、マスメディアの批判にさらされた挙句、政権がそれに迎合したとしたら、
人気取りだけの衆愚政治の政権になる。今の政権も、この次の政権も。
そして国の金庫はますます空っぽになる。その時になって騒いでも遅い。


すっかり長くなってしまった。
正しく知り、理解すること。これは何より大切だ。
私自身の理解が間違っているかもしれない。
それならなおさら、この言葉を大切にしたい。