受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

58歳の何のとりえもない男が、医学部と司法試験を同時に、しかも短期間で合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

やっぱり老化には抗えないか・・・・


とにかく、法律や地理という、私にとっての新しい科目が全然覚えられなかった。


やっている時はある程度、理解したつもりなのである。


だが、翌日になると、前の日に覚えたことをころりと忘れているのである。


自分はどこまでやったのかさえも思い出さない。


ラインマーカーを引いた跡が残っているからまだしも、それがなければ同じところをやり直しかねない。


アルツハイマーか・・・・



第一周目はざあっと読むだけでいい。次のクールでもう少しじっくり読み、理解を上げていこう。私は当初、そう考えていた。


だが、これだと、全部読み切ったとしても、やってないのと同じ。脳みそはつるつるてんだ。全く意味がなくなってしまう・・・・。



若かった頃を思い出した。記憶力のよかった十代の頃を。


一回読んだ内容は、ほとんど覚えることができた。社会など教科書を丸暗記できていた。


頭がすっきりしていて、習ったことはスポンジのように吸収できた。



だが、今はどうか。全く覚えられない。すぐ頭がヒートアップするか、ぼうっとしてしまう。


やはり、老化には抗えない。老人は勉強には圧倒的に不利なのだ・・・・。


私は年を取っても、心と頭だけは若いつもりでいた。だがそれは幻想にすぎなかった。



しかし・・・・そういえば、司法試験対策の無料入門講座で吉野勲先生が言っていた。


「何回も司法試験に失敗している人に共通の特徴がある。それは、その時習っていることは理解しても、少し前に習ったことを忘れていることだ。皆、覚えた端から忘れていくものだ。だから、必ず勉強時間の半分は復習にあてろ。」



そうか。そうなんだ。


私だけではないのだ。人間というのは忘れる生き物なのだ。


そして、知識が増えれば増えるほど、前に学んだこととの関係でごちゃごちゃになり、混乱して、何もかも分からなくなってしまうのだ。


だからこそ、ちゃんと復習しなければならない・・・・。



私は考えた。よし、方針を変えよう。


そして、私が取った方法は・・・・。