受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

58歳の何のとりえもない男が、医学部と司法試験を同時に、しかも短期間で合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

敵を知り己を知れば百戦危うからず


孫子の名言に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」というのがある。


正確にはこうだ。


「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」つまり、


①敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。


②敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかない。


③敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける。



私は勉強は今年の4月から始めたのだが、意識するようになったのはその1月前の3月だった。


その時点では、医学部入試のことも、また司法試験のこともほとんど知らなかった。


特に、司法試験に至っては、どのような科目があるのかも知らず、予備試験の存在すら知らなかった。


さらに、自分の実力も知らなかった。まあ言ってみれば上記の③の状態だった。これでは必ず負ける。つまり試験に落ちる。



以前書いたように、大学入試では、かつて東大理Ⅲに2回続けてA判定を取ったことがあった。だがそれは30年以上も前の話である。


ただ、就職後も勉強している英語と、センター試験の国語だけは何とかなるかもしれない。


そう思って、家にあったセンター試験の問題集に挑戦してみた。


すると・・・・げげえっ。



まるで歯が立たない。


物理、化学・・・・全く覚えておらず。ほとんど零点に近い(正確には2-3割)。


数学(1A、2B)・・・・各設問の最初の小問ができるかできないかくらい。ほとんど零点に近い(正確には2-3割)。しかも時間が全く足りず。


社会・・・・高校では日本史と世界史で受けたが、ちょっと見ても紛らわしい選択肢が多く、見ただけで回答をあきらめた。


国語・・・・現国は、まあまあ問題文は読めたが、紛らわしい選択肢が多く、全部の回答が不安だった。しかも古文、漢文は全くできず。


英語・・・・唯一、最後まで回答できた。だがリスニングは全くダメ。留学経験もあるのに情けない。耳が遠くなったか??


というわけで、おそらくいいところ3、4割しかとれていなかったのではないか。



これじゃあ、医学部はおろか、普通の学科ですら合格は危うい。


ましてや各大学での二次試験はもっと難しい。絶対に太刀打ちできない。



また、司法試験の予備試験の過去問もブックオフで立ち読みした。


行政経験があるので、少しは土地勘もあるかなあと思っていた。


だが、そんな甘いものではなかった。ちんぷんかんぷん。問題そのものが、何を言っているのか分からなかった。



こんな状態である。


・・・・医学部と司法試験との同時受検を口にするのも、ちゃんちゃらおかしかった。


しかし、私はなぜか、そんな状況に喜びを感じた。昔の感覚が戻ってきたような気がしたのだ。


他人から馬鹿にされ、ハードルが高ければ高いほどやる気を出すことができた、若い頃の自分を思い出した。



だが、とにかくこれは、今までにないほど高い壁であるのに間違いはない。


このため、1か月ほどかけて、今後の戦略を慎重に練ることにしたのだ。