受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

桃源郷

受験老人

(8月1日)

・執筆:1時間

・簿記:ふくしま2級工簿ー(復)CVP分析①

・宅建:まんが宅建士ー(復)不法行為、共有・相隣関係、抵当権・担保物権

・数学:数ⅢCーいろいろな関数の微分

・化学:鎌田理論ー共有結合と分子、福間無機ー酸化還元反応(1)

・新聞:ー33.5日

・畑:30分

・その他:やらんかった


桃の季節になると、思い出す。

かつて我が家の畑には桃の木が何本か植えられ、両親は勝手に「桃源郷」と呼んでいた。

しかし、ある時大雨が降り、もともと土地が低かった畑は水につかった。

大部分の桃の木は枯れてしまい、1本だけ残った。

そんな時、母は認知症になった。

まだ受験老人は東京で正規の勤めがあり、母の世話をすることができなかった。

高齢の父一人では母の世話ができなくなり、母を施設に入れるしかなかった。

施設に入れても、母の認知症はどんどん進んだが、

見舞いに行き、果物とアイスクリームを食べさせると、おいしそうにほおばった。

桃の木の世話もできず、また浸水の影響が残り、桃は実をつけなくなったが、

最後の年に、奇跡的に2つだけ実をつけた。

そのうち一つは少し虫に食われていたが、家で食べるとえも言えずおいしかった。

そうして、もうひとつの桃を持って見舞いに行き、食べさせた。

母はほとんど表情がなくなっていたが、うれしそうな顔をして食べてくれた。

その後コロナのせいで、新しい施設では面会することもできなくなった。

母に最後に食べさせてあげられたものは桃源郷の桃だったのだ。

今年、店で桃の苗を売っていたので畑に植えてみた。桃源郷の復活を目指して。

しかし、受験老人が水やりや草刈りをしなかったせいか、枯れてしまった。

なかなか桃源郷の復活は難しい。

せめて心の中は、桃源郷に住んでいるかのように、夢を追いかけ続けたいものだ。