受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

58歳の何のとりえもない男が、医学部と司法試験を同時に、しかも短期間で合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

受験を決意した理由


次に、受験を決意した理由である。



正直なところ、前回書いたように、退職後の再就職先探しという部分が大きい。


 


しかし、そのために、まず誰もが考えるのが会社のネットワークを使うこと。


私の働いているのは、それなりに大規模で有名なところである。


どうして頭の悪い自分がここに採用されたのかもわからない。


試験だけはまあまあできたので、そのせいかもしれない。


(頭の良さと試験の出来はあまり関係ないというのが私の持論。)


だが最近、職場への批判もあって、傘下の組織への再就職は厳しくなった。


私には、それがあったとしても、ろくな就職先はあてがわれなかっただろうが。


そして、再雇用で職場にそのまま低賃金で残るのも厳しいと言われた。


八方塞がりである。



ただ、あまり偉そうに言える身分ではないが、私は、こうして今の職場にすがって生きていくのも嫌なのである。


自分の就職は自分の力で決めたいのだ。



しかし、何の専門性もない60の男を、誰が好き好んで採用してくれるだろう。



レストラン等、容姿で採用するようなところは絶対に無理だ。


自分でも感じているが、おじいさんやおばあさんが給仕してくれても、それだけで飯がまずくなる。


自分が給仕してもきっと、嫌がられるに違いない。



スーパーでバイトをしても、釣りの計算を間違え、店に大変な損害を与えそうである。


コンビニ等の店員だと、ものすごい数の品物の場所を覚え、客の細かい注文に応じていろいろな対応をしなければならない。無理であるる



工場で働くのはどうか。


自分は、人と話をするのは苦手である。


本当は工場で働けばあまり人と直接話をせずに一日になにがしかの金をもらえるので助かるが。しかも単純作業なので楽かもしれぬ。


だが、最近、窓際での仕事にすっかり安住し、三十分に一回ほど休みを入れてのんびりしなければやっていけなくなってきた。


すると3~4時間立ちっぱなしで精密な繰り返し工程を行うのは絶対に無理だろう。



ダメ、ダメ、ダメである。



しかし、年金が出始めるのは、65歳からなので、その間、無職でいるわけにいかない。


貯金はほんの少ししかない。


その間、自分と、そして家族を養っていかねばならない。


それが、受験を決意した一つ目の理由である。


あまりに荒唐無稽で、実際の受験の厳しさを知らなさすぎるという嵐のような批判にさらされるかもしれない。


だが、私にはかすかな勝算があるのである。その理由はおいおい書く。