勉強以外のことで注目を集める
ところが、そんな私が注目を浴びた。それは、勉強以外のことだった。
私は中学校時代、ある部活に入っていた。
自分ではまずまず上手で、体力さえあれば人には負けないと思っていた。
実際に、県で優勝した相手をぎりぎりまで苦しめ、また一年次下の県の優勝者には2度勝った。
ただ惜しむらくは体力がなく、長丁場になると逆転されて負けた。
(自分ではそんな戦い方を改善したかったが、何とも体力が追い付かなかった。)
だが、高校では部活には何も入っていなかった。
やると勉強ができなくなると思っていたのである。
そんな時、学内のスポーツ大会があった。
いろいろなスポーツで男女・学年を問わず学級単位で参加して、トーナメント方式で優勝を争うというものである。
参加者には条件があり、現在高校でその部活をしている者は参加できなかった。
ただし中学校の時に部活をしていた者は参加してもよかった。
私は、これ幸いと参加した。団体戦だった。
ところが面白いことに、わがクラスからの参加者を見ると、中学校での経験者が私以外に2人もいた。
よし、チャンス、とばかり、私は彼らを最高に働けるよう組織した。
すると、あれよあれよと勝ち上がり、優勝してしまった。
2年生や3年生のチームをなぎ倒して、1年生が優勝したのである。
ぶっちぎりの優勝だった。
我がクラスは、他のスポーツではいずれも1回戦で負けたのだが、その種目だけは突出したのである。
私はその立役者として、代表して表彰された。
とても気分がよかった。
すると担任は、もろ手を挙げて喜んでくれた。
私は、勉強以外のところで、注目を浴びたのである。
私はすっかり味を占め、部活に入ることにした。
これで私の勉強時間はさらに少なくなった。
そんな時、実力テストがあった。
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