受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

君はそんなに勉強ができないくせに


私は、高校に入ったら中学校のように部活をやらず、勉強に専念しようとした。


家に帰ってからの勉強時間の3時間を、トレーニングペーパーと、学校の宿題に充てた。


結構集中してやった。だがそれ以外はのんびりと本を読んだりした。


だがそうすると、宿題まで手が回らず、やっていかないで先生に怒られた。



さて、私の行っていた高校は、繰り返し言うが田舎の学校である。


塾など行くものは皆無であり(そもそもなかった)、先生が絶対であり、授業が絶対だった。


だから、皆、授業をある程度真剣に聞き、宿題もまあまあやった。


宿題をやってこないとこっぴどく怒られ、先生によっては立たされたりもした。



そんなとき、クラスの生徒がこんなことを言った。


「勉強ばかりじゃ殺伐としているので、帰る前に歌を歌ったらどうか。」


皆はそれに賛成するような雰囲気だった。


当然だろう。歌を歌う、というのは何かよいことをするような雰囲気があるからだ。


だが私はそんな皆の、付和雷同的に賛成する雰囲気が少し嫌だった。


流されすぎてはないか。


そしてこう発言した。


「クラスの融和を図るというのはいいかもしれないが、放課後は貴重な時間であり、部活をやったり、勉強をしたりする者もいる。歌が好きじゃない者もいる。全員でやるというのはちょっとどうかと思う。」と。


皆、これに対して、いっせいに反発した。


次々私の意見を否定した。クラス皆の団結こそ重要ではないか。


当たり前である。そして私は皆に目の敵のようにされかかった。



あとで担任に呼ばれた。


「○○君。意見を言うのはいいが、あまり偉そうに言うな。君はそんなにとびきり勉強ができるわけではないくせに。皆に嫌われるよ。」



その言葉は、私の闘志に火をつけた。


よし、やったるで。見返してやる。