受験老人、失恋す
さて、私の中学校時代の話に戻る。
対人恐怖を克服した喜びから、私の躁の時期はしばらく続いた。
調子に乗って、当時、私が好きだった女の子に告白した。
こんなに調子がいいのだから、きっとうまくいくと思っていた。
我が世の春である。
だが、結果は、見事にふられた。
その女の子が友達を通じて私に送ってきたメッセージは
「○○君のこと、昔は好きだったんだけれど、途中から、勉強しかしない変な人というイメージしか持てなくなった。」
とのこと。
私はがっくりした。自分は決して勉強ばかりしているわけではない。
それは、生活がだらしなく、他のことがあまりできないため、
人から馬鹿にされるのを見返すためにやっただけのことだ。
勉強、いや試験こそ、最も客観的に評価してもらえる基準ではないか。
そうした思いが強かった。
残念なことに、その女の子は自分のクラスではなく、他のクラスの子だった。
牛乳瓶の底のような分厚い眼鏡をかけてうろうろ歩いている私を見て、決してよい印象は持っていなかったのだろう。
だが自分は決して勉強だけではない。部活にも思いっきり頑張っていた。
地区の大会ではその競技でまあまあ頑張り、表彰されたりもしていた。
文武両道だ。自分ではそう思っていた。
ただ、そうしたことも含め、ただ単にがむしゃらにやっている、あまりに単純な考え方の私は、子供っぽく、深みが感じられなかったのかもしれない。
その子は大人っぽく、いつも本を読んでいる文学少女だった。
そう、私は当時、自分さえよければいい、そう考え、有頂天になっていたのだ。
私は頭を打たれた。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。