星に願いを
さて、センター試験前日になった。
受験老人は、まだ心がざわついている。
というのは、最後にやった過去問の結果である。
国語:148点
社会:97点
英語:188点
数ⅠA:88点
数ⅡB:59点
物理:96点
化学:94点
お分かりだろう。数ⅡBが全体の合計や平均点を大きく落とした。合計770点、得点率は85.5点である。
解けない問題が出ると動揺する。動揺すると次の問題も解けなくなる。連鎖反応でパニックに陥る。
皇居勉強法等で、心も落ち着き、不動心で試験に立ち向かえると信じていた。
実際、実力はついた。国語を除き、他の科目は90点台が取れるようになった。(特に地理と物理は1問間違えただけ。)
1日2時間の勉強法を昨年4月から9か月半やっただけで、ここまで伸びたことについては、自分自身をほめてやりたい思いがある。
だが、恐ろしい・・・・数ⅡBだけでなく、悪魔はどこにでも潜んでいる。
本番でこんな事態に陥ったらどうしようか。
自分の心が曇っているのだ。心に迷いがあるのだろう。ああ、ああ、再度言う。「我未だ木鶏ならず」(稀勢の里は残念だった。)
家路をたどりつつ、二宮金次郎式勉強法をやめて、ふと空を見上げた。
雲がほとんどない空に、星がいくつか輝くのが見えた。
ああ、星空とはこんなにもきれいだったのだろうか・・・・
鈴木健二氏の本の中にあった言葉を思い出した。子供を育て、人の気持ちが分かる一人前の人間にしていくのがどんなに難しいかを語った言葉である。
「一人の人間の魂を獲得することは、 星の世界のすべてを手のなかにおさめるよりも、はるかに尊く難しいことである。」
(私のブログ「昔読んで感動した話」参照。)
私は星に願った。
「お願いします。よい点を取らせてくれとは決して言いません。神様が私に望むように試験の結果をお与えください。
私がたまたまラッキーで良い点を取るのは間違っています。それならもっと若い人たちにチャンスをお与えください。
それでもこんな老人でも、行く価値があるとお思いになるときだけ、そのままの実力を発揮できるようにしてください。
私にはそれで十分です。こうしてがんばってきたこと。その、がんばってきたという思い出だけで私は満足です。そのことを、神様にだけは分かってもらいたいです。」
なぜか気が楽になった。
読者の方々は格好つけと思われるかもしれない。だが、この受験を志したことについて、ここに書いていない複雑な背景も実はいろいろある。
それも含め、上の願いは今の私の正直な気持ちである。
人事は私なりにそれなりに尽くした。あとは天命を待とう。
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