受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

58歳の何のとりえもない男が、医学部と司法試験を同時に、しかも短期間で合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

勉強に目覚める


実力テストで二番になって以来、皆の私を見る目ががらりと変わった。


そんな時、家庭訪問があった。


先生は私の親にこう言った。


「実力テストの結果をほかの先生たちと話したとき、○○君(私の名前)が2番だったと言っても、誰も信じなかった。それくらい○○君の態度が悪かった。中には、きっとカンニングをしたんだろうと決めつける先生もいた。」


失礼な話である。でもそれくらい、私の授業中の態度はよくなかったのである。



さて、私は成績が良かったことに味を占め、勉強だけはがんばろうと思った。


そして、家に帰ると少しは勉強するようになった。


特に集中してやったのは社会。隅から隅まで徹底的に覚えた。


私の発明したのは、自分でわら半紙を小さく切り、表に問題を書き、裏に答を書く、簡単な問題集を自分自身で作成したことだった。


これにより、教科書の内容はほとんど丸暗記でき、どこからどんな問題が出されようが怖くなくなった。


問題形式でやれば、効率よく理解や暗記ができることを最初の頃に知ったのは自分にとって好都合だった。



そして、一学期の中間試験。私は1番を取った。


この400人いる学年全体で1番・・・・私は天にも昇る気になった。


そして、その順位は、多少変動することはあれ、その後も続いた。


私は、試験で点を取ることについては何か特別の才能があったようだ。



しかし一方で、私の生活態度はてんでダメだった。


あるとき、学年から1人だけ、海外に短期間留学させるという募集があった。私はそれに応募した。


だがあえなく落選した。


先生はあとで私の両親にこう言った。


「留学は普通、学年で一番成績のよい生徒を選ぶことになっている。○○君(私の名前)はいつも1番で、その点は全く問題はなかった。でもあまりに態度が悪すぎ、多くの先生が反対した。」



私はそれを聞いて、腹が立って仕方なかった。


実力で評価しないのは卑怯じゃないか。


目に見えない部分で評価するのはインチキじゃないか。



そして、意地でも勉強をして、この成績を続けてやろうと思った。


今思うと、私がどんなに意固地になっていたかがよく分かる。


人間として真に大切なものを学ぶことを、おろそかにしていたのだ。