受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

皇居勉強法(その1)


11月になり、風もずいぶん涼しくなってきた。


実は受験老人、結構仕事も忙しい。このため土日もたいてい職場に出てきている。ワーカホリック気味である。


だが、基本的に研究っぽい仕事であるので自分のペースで進めていける。


普段、勉強をするため平日は無理やり7時くらいで仕事を切り上げている。そのツケを週末でカバーしているのだ。


ただ、休日手当をもらっているわけでもないので、その分、職場で自由にゆったり過ごせる。



そして、ある時思いついた。皇居の周りを歩こうと。


皇居は、昔、大学院時代、研究をしていたがんの研究所が近くにあったため、仲間を集めてここでよくジョギングをした。


1周約5キロ。大勢の人が走っている中で、自分を鍛えるべく走っていた。だいたい私の記録は20分余りで、どうしても20分を切れなかったのを覚えている。


その皇居は、私の職場からも歩いてすぐのところにある。こりゃ、絶好のウォーキング場所だ。



さて、私が「ウォーキング」というと、何を指しているか、読者の皆さんならよくお分かりだろう。


そう、「二宮金治郎式勉強法」である。(以前、「金次郎」と書いたが、正確には「治」が正しいそうだ。)


11月初めのある週末、午前中を職場で過ごした私は、日がまだ高い午後2時頃、いくつかの本をカバンに入れ、運動靴をはき、さっそうと職場を出た。そして、カバンから1科目目を取り出した。



皇居に着くまでに、1科目目の半分を終わらせた。


桜田門に着いた。ここはジョッガーたちの起点である。昔は私もその中のベンチに荷物を置いてジョギングを開始していた。


だが今日はそんなことをしない。そのままカバンを背負って歩き読みだ。



道は反時計回りにジョギングしている人が大半であり、そのままゆっくり歩き読みを開始した。


後ろからどんどんジョガーたちが私を追い抜いていく。だが、端っこを歩いているうちは問題ない。彼らは私をよけてくれる。


ただ、注意しなければならないのは、歩行者が前からやって来る場合があること。


なので時々前方にも目を光らせねばならない。しかしこれは数も少なく、普段の歩き勉強法よりはるかに注意は少なくてよい。



最も気になっていたのは、ところどころに警官が立っていること。


歩きながら本を読むのは歩きスマホと同じなので。やめるように厳しく注意されたらそれまでだ。


だが、そうはならなかった。


なぜか・・・それは、私の他にも、道端でパンフレットを確認している人が結構いたからだ。それと同じだと思われたのだ。


まあ、私のように勉強をしながら歩いている人はおそらく他にはいないだろうが・・・・。



(ちょっと長くなるので次回。)