受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

58歳の何のとりえもない男が、医学部と司法試験を同時に、しかも短期間で合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

10月の終わりの状況(その1)


10月になり、センター試験の願書を提出した後も、引き続き勉強を続けた。


日に日に涼しくなり、だんだん過ごしやすくなってきた。ただし、勉強の調子がぐっと上がるかというと、そうでもなかった。



若い人の場合、急に視野が拓け、理解が進み、成績がぐっと伸びるということはあるかもしれない。


私の場合もそうだった。大学院の浪人をしていた時、当初はまったくダメで、東大理ⅠすらE判定だった。


だが、何度か模試を受けているうちに、頭の働きがすごくよくなるのを感じた。そして最後は理Ⅲで2回続けてA判定が取れた。



ところが・・・・今はそのような才能のきらめきなど、ひとかけらも感じない。


相変わらずなのである。8月始め頃に数学も化学も物理もパラパラ方式にしていたが、10月始めの段階ではやっと1通り終わったところだった。物理は途中で問題をなくすというミスを犯したため、まだほとんど回っていないなかった。


4~7月で1通りは読んでいたので通算ではこれで2回通り目になるが、その段階でも分からないものはまるで分っていなかった。まるきり初めての問題のように感じていた。


若い頃だったら2回やればほとんど理解できていたものを、今では2回読んでも、初めての問題のように感じてしまう。


ただ、答えを見ずに解くことができた問題は束の中から抜いて袋に入れていった。


その数は数枚と少ないものの、毎日それを繰り返していると、だんだんできた問題の山が増え、できない問題の山が減っていくのが分かった。ちょっと嬉しかった。


10月末では、だいたいパラパラとしては2回目、通算で3回目を終えた。すると、数学も化学も、まだできていない束は当初の半分ほどになった。そうなるとますますやりやすくなった。


ただし、物理はやっと1回目が終わったところだった。物理は途中でパラパラ用紙をなくす(後で見つかった)というアクシデントに加え、なかなか乗り気でないということもあり、進まなかった。どうやらこれが受験老人のウィークポイントになりそうだ。
「今から生物に受験科目を変えようか?」大胆な発想が頭をよぎったが、残りの期間を考えるととうてい無理だ。とにかくここまでやったのだから、物理の問題をしこしこ解き続けていくしかない。


地理は、毎日センター試験の過去問を1問か2問ずつやり、村瀬の参考書で関連したところを読んでいくというやり方が功を奏した。


同じ単元が問題に使われるところも次第にちらほら出てきた。このため村瀬の参考書も通算で3度くらい読んだところも出てきた。


すると、否応なしにポイントのところは頭に入ってくる。もしかしたら、地理だけはまあまあよい成績が取れるのではないかと思えてきた。


10月末には、今の状態で6割くらいは取れるのではないかという気がした。1度もセンターの模試はやっていなかったが。だが、まだまだ医学部合格には及ばない。



古文は、単語を毎日覚えていた。ぷっと吹き出しつつゴロを覚えた。


ある時駅で電車を待ちながら単語めくりをやっていて、手を滑らせて地面一面にカードをまき散らしてしまった。


時間帯が悪かった。そこには高校生たちも電車を待っていた。


私がせわしげに拾い集めるのを見て、皆にやにやしながらひそひそ話をしているのが分かった。


「何このおっさん、なんで板野のゴロゴなんてやってんの??きもっ!」


たぶんそんなところだろう。でも私はめげない。


通勤での歩きを利用して覚えたせいか、リズミカルに覚えることができ、この古文単語は10月中に終わらせることができた。



古文は続けて板野の「古文読解ゴロゴ」というのをやることにした。


徒然草、枕草子、源氏物語等1つ1つ、読み解きながら、単語や文法のポイントを解説してくれる。


特に、単語は「古文単語のゴロゴ」をそのまま使って解説していて復習にもなり、1日に1単元20分くらいで終わらせることができるのはちょうどよかった。



漢文は、2つの参考書を問題を解きつつ進めていた。これらも何となくセンターまでには終わらせられそうな気がしてきた。


そうして、医学部受験については、まあまあ、なんとか受ける資格ぐらいはできるかなあということを、10月終わりの時点では感じていた。



ただし・・・・問題なのは司法試験の予備試験だった。(以下次回)