よい医者、悪い医者(14)
(前回の続き) 受験老人は、大学病院の受診日の朝、窓口に電話した。 あなたの病院で手術した結果、失明しかかっている。 他の病院で診てもらいたいので、 カルテの写しをもらえないか。 すると、にこやかに応答していた窓口の女性の声が、急に固くなり、別の部署に回された。 その部署の者が出た。 そのような場... 続きをみる
還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した
(前回の続き) 受験老人は、大学病院の受診日の朝、窓口に電話した。 あなたの病院で手術した結果、失明しかかっている。 他の病院で診てもらいたいので、 カルテの写しをもらえないか。 すると、にこやかに応答していた窓口の女性の声が、急に固くなり、別の部署に回された。 その部署の者が出た。 そのような場... 続きをみる
(前回の続き) さて、受験老人は、DVDを見たことで、少し元気が出てきた。 この失明同然の目と一生つきあう覚悟も、徐々にできてはきていたが、 しかし、もう少し悪あがきしてみようと思いはじめた。 今までは、医者の言うことを一方的に信じていた。 だが、本当に治らないか、自分で確かめてみようという気持ち... 続きをみる
(前回の続き) 受験老人が知人からもらったDVDに入っていたもう一つの話は、 「ブッダ真理のことば」 というものだった。 受験老人は、ふだんは仏の教えに対し、当たり前のことを言っているだけだとして、 深く考えることはなかった。 しかし、自分がひどい苦境にあったその時は、 砂に水がしみこむように一つ... 続きをみる
(前回の続き) 苦境にあえいでいた私がもらったDVD、それは いろいろな本の紹介をする番組を録画したものだった。 正式には、NHKの「100分de名著」というタイトルで、伊集院光さんが進行を務めていた。 その中には2つの本の紹介が含まれていた。 受験老人は、目を開けるのもしんどかった。 失われた左... 続きをみる
(前回の続き) さて、受験老人は退院後、精神を苛まれ、ずっと布団でふさぎ込んでいた。 もう、働くことはできないと思った。 眼が見えないのである。 左目はもはや使い物にならない。 残った右目は0.02。 しかし、とにかくずいぶん休んだ。 あまり休みすぎて、欠勤になるかと思った。 皆にも心配をかけた。... 続きをみる
(前回の続き) 退院の日になった。 受験老人は、沈痛の極みだった。 退院に当たっての最後の診察は、受験老人の手術をした上級医師だった。 「本当に、何か良い方法はないのですか。なんとか治らないのでしょうか。」 しかし、上級医師は、首を振るだけだった。 「まあ、網膜は次第に動くから、少しずつ良くなるか... 続きをみる
(前回の続き) 前回の記事の最後が抜けていたため、もう一度。 このように見えた。 実は、当初、真ん中が見えないのでそちらの方ばかり考えていたが、 右下6分の1も見えなくなっているのに気付いた。 全体に大きくねじ曲がって見える上、つぎはぎだらけだった。 (実際には、これよりももっと激しくよじれて見え... 続きをみる
(前回の続き) さて、目の手術の後、うつぶせ寝を続けていた受験老人である。 何もせずに寝ているのは退屈で仕方なかったが、 このうつぶせ寝が終われば目がよく見えるようになるだろうと期待していた。 病院の部屋はまるでホテルのようで快適だった。 食事はおいしく、看護師さんたちは優しかった。 定期的に目の... 続きをみる
(前回の続き) 手術は部分麻酔をしているので、医師や看護師のやりとりがよく聞こえる。 「先生、血圧が200超えています!!」 看護師が叫ぶように言う。受験老人は普段から血圧が高いうえに、臆病者だ。 眼の中で機械が操作されているのが分かる。 眼の底まで機会を突っ込むのだから、結構大変な手術 なんだろ... 続きをみる
(前回の続き) 網膜剥離と診断された受験老人である。 いささかショックだった。 というのは、せっかく大きな、清潔でかつ豪華な病院だと思って来たのに、 医師の診察はことごとく裏目に出たのである。 1つ、東北の病院で、強く硝子体手術という根本治療を推奨されたにもかかわらず この病院ではレーザー治療で大... 続きをみる
(前回の続き) さて医師からは、10日くらいの間は激しい動きを慎むようにと言われ、そうした。 何日かすると、濁って何も見えなかった左目が次第に晴れてきた。 10日目になって大学病院を訪れた。 上級医師は、「もう大丈夫。運動もできますよ。」と太鼓判を押してくれた。 受験老人はほっとした。 ただ、その... 続きをみる
(前回の続き) 地元にある豪華な大学病院で手厚い診断を受け、レーザー治療を受けた受験老人である。 さて、受験老人はその頃、役所の仕事とは別に、夏祭りの責任者をしていた。 これは結構大変で、仕事がおろそかになるほどだったが、 とにかく、各係の分担を決めて、しっかり進行させなければならなかった。 とこ... 続きをみる
(前回の続き) さて、網膜に穴があいたという東北の大学病院での診察結果を受け、 詳しく診てもらうため、受験老人は地元の病院に行った。 その病院は創始者が新千円札の肖像になった、地元では有名な私立大学の附属病院だった。 この病院を訪れ、受験老人はびっくりした。 バカでかく、また、豪華で、また、人であ... 続きをみる
ここで、受験の話を少しお休みして、受験老人のある体験を書く。 それは、人生の危機に瀕した体験である。 同時に、受験老人が、医師を目指すきっかけになった出来事である。 受験老人は子供の頃から、ひどい近視だった。 家族には祖父母も含め、だれ一人、目の悪い者はいなかった。だから遺伝ではない。 これは受験... 続きをみる
(前回の続き) 集団面接の順位付け問題。再掲する。 A. 医療全般に豊富な知識を持っている医師 B. 専門分野についてすぐれた医療技術を持っている医師 C. 研究を行い研究能力を磨いている医師 D. 患者のことをよく思いやり、患者の気持ちがわかる医師 E. 地域医療に貢献しようとする医師 順位付け... 続きをみる
(前回からの続き) さて、一対多面接は、自分に正直に答えたせいで躓いた受験老人だが、 次の面接では、我を通すつもりは全くなかった。 集団面接なのだ。 受験者が5~6人毎のグループに分かれ、特定のテーマについて討論し、グループとしての意見をまとめるというものだった。 受験老人を見て、同じグループの人... 続きをみる
(前回の続き) 受験老人は、今回の面接に際し、ある覚悟を持っていた。 すなわち、自分自身に正直になろう、ということ。 当然ながら、他の受験生は医学部の面接対策はばっちり講じてきているだろう。 だが、受験老人はこの年になって、小手先の理論構築はしたくなかった。 むしろ、そのように正直に答えることによ... 続きをみる
(前回の続き) 生物の問題を見て、受験老人は思った。 「これは自分向きだっ。」 受験老人の専門の、生命科学の問題が目白押しだったのである。 こんな問題があった。 「多くの生物に共通する特徴を、遺伝情報を持ち、自己増殖する以外に3つ挙げよ」 (問題は一部加工) 受験老人はこれまでいくつか、小説を書い... 続きをみる
(前回の続き) これが最後の受験かな。受験老人はそう思った。 受かるつもりはなかった。また、受かっても行けない、と思っていた。 いよいよ大学の試験日を迎えた。 記憶があいまいで、この時かどうか忘れたが、 駅前で、受験者向けにパンフレットが配られていた。 並んでいた受験老人にも、配っていた若い女の子... 続きをみる
(前回の続き) さて、共通テストで大失敗し(実力?)、ちょっと落ち込んだ受験老人だった。 しかし、一応、受験する大学に合わせて各科目の配点を調整してみた。 すると、ややっ・・・ 配点調整した共通テストの合計点は、 前年、つまり7点差で落ちた年のセンター試験の合計点と、たいして違いがなかったのだ。 ... 続きをみる
(前回の続き) さて、そうこうしているうちに共通テストの日を迎えた。 これらがどのような問題だったか、受験老人はどのように対処したか。 実は、ほとんど覚えていない。 4年前だったので、記憶が薄れたということもある。 だがそれ以上に、 出来が悪かったから、嫌なものは思い出したくないという脳の働きだろ... 続きをみる
(前回の続き) 年末年始に猛勉強した受験老人だったが、 実は勉強時間の半分はある科目に費やしていた。 ・・・・それは生物。 受験老人は、それまでセンター試験で理科の2科目は、物理と化学で受けていた。 しかし、この最初の共通試験の年は、それを化学と生物に変更したのだ。 理由は二次試験にあった。 受験... 続きをみる
(前回の続き) ともあれ、受験老人は共通テストに向けて勉強を続けた。 書き入れ時は年末・年始だった。 言い忘れたかもしれないが、受験老人は還暦を迎えても、まだ仕事を持っていた。 それまで勤めていた官庁はいったん退職したが、引き続き再任用で採用されたのである。 自分の専門もいかせる業務で、コロナ下で... 続きをみる
さて、受験老人はもう一度医学部受験をしようと、(4年前の)12月になってから受験勉強を開始した。 といってもその年の入学試験まで、時間はあまりない。 特にセンター試験に代わった共通テストまではあと1か月くらいしかないにもかかわらず、 受験老人は共通テストのことは全く知らなかった。 さあどうする。 ... 続きをみる
前回の続き。4年前の話である。 母の転院を契機に、医学部受験への動機を失った受験老人だった。 そして、このブログもやめ、 受験勉強もする気がしなくなり、勉強をしない日々がずっと続いた。 一方、司法試験の方はどうかというと、こちらもあまり進まなかった。 不思議なもので、2つやっていた勉強のうち、 片... 続きをみる
(11月3日) ・腕立て 13回 ・腹筋 20回 ・ヨガ ・筋トレ 前回の続き。母の転院で心身ともに落ち込んだ受験老人である。 受験老人には、医学部を受けるための理由があった。 もちろん、医学部の受験勉強とそれによる合格自体が大きな目的であったことは否定しない。なんせ「受験老人」だから。 それ... 続きをみる
(11月2日) ・腕立て 12回 ・腹筋 18回 ・ヨガ ・筋トレ さて、いよいよ始動しようと思うが、その前に、この日記を4年以上もの間、書かなかった理由をここで書いておく。 といっても自分にとって都合の悪いことや、他人に迷惑がかかることは書けない。 また、4年も経ち、ずいぶん記憶があやふや... 続きをみる