受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

58歳の何のとりえもない男が、医学部と司法試験を同時に、しかも短期間で合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

スランプ脱出!

私は次の日から授業中に質問をすることにした。 私にとって幸いだったのが、できない生徒と違い、自分は極めてよくできる生徒だったことだ。 だから、質問はいくらでも考えることができ、先生の答えに対してさらに疑問を呈することもできる。 ええい、ままよと手を挙げた。「先生、質問があります。」 その声も震えた。いつものように、私の心臓は早鐘のように鳴りはじめた。 だが、今度こそ、絶対に逃げないぞ、という覚悟…

勇気を出せ!

その本を読み進めていくと、著者が不思議な夢を見たことが書かれてあった。 お父さん、お母さん、ごめんなさい。 そうして何度も何度も自分が謝っている姿である。 著者は、対人恐怖症に苦しみ、それを克服するためにいろいろな修行をした。 だがそれらはいつも中途半端に終わっていた。 直接やらねばならないことと向き合ってはいなかった。 自分はいったい何をやっていたのだろう。 結局、苦しみから逃れようとしていた…

試行錯誤

そのような状態はずっと続いた。 授業中、順番に当てられる。 当てられる少し前から私の心臓は早鐘のように鳴った。 口がバクバクして声が出ないのである。 先生が、そして皆が怖くなった。 自殺も考えた。 その頃はおそらく、うつ病とも言ってよい症状になっていたのだろう。 治る方法は試してみたが、どれもうまくいかなかった。 古代ギリシャの哲学者・雄弁家が石を口に突っ込んで話す訓練をしたと聞けばそれを真似た…

奈落の底へ

それ以来、私はなぜか、授業で当てられると緊張して声が震えるようになった。 なぜか分からなかった。 皆は驚いて私を見、私が震えるのを面白がった。 (実は自分自身がそう思っているだけだったのかもしれない。) 特に困ったのが音楽の時。 一人で歌うと、緊張で声が震えた。 ビブラートどころではない。声が出ないのである。 先生は、もっと腹に力を入れろと言った。 だが私は当時、運動部に所属し、腹筋は何百回でも…

破綻をきたす

引き続き、中学校時代のこと。 勉強さえできれば誰にも文句はつけられない。意地でもトップを取り続け、誰からも文句は言わせない。 そのような意固地な私の姿勢が、とうとう破綻をきたしだした。 勉強さえできれば、生活態度は悪くったっていい、という姿勢である。 確かに他の生徒からは表面上、一目置かれていた。 いつも試験で1番をとる人、というレッテルが貼られた。 でも、それだけである。 あれだけだらしなく、…

大坂なおみ選手に思う

今回は受験勉強から離れて、ちょっと一服。 最近、大坂なおみ選手を激しく見直している。全米オープンに優勝したからではない。彼女の姿勢にだ。 登場したばかりの頃は、けだるそうな姿、途中で泣きだす姿、インタビューへの回答があまり要領を得ない姿を見て、 私としては、ああ、この娘は、あまりきちんとしていない、わがままな娘さんなんだろうなあと思っていた。 だが、私のそうした考えは180度、転換した。 決勝で…

勉強に目覚める

実力テストで二番になって以来、皆の私を見る目ががらりと変わった。 そんな時、家庭訪問があった。 先生は私の親にこう言った。 「実力テストの結果をほかの先生たちと話したとき、○○君(私の名前)が2番だったと言っても、誰も信じなかった。それくらい○○君の態度が悪かった。中には、きっとカンニングをしたんだろうと決めつける先生もいた。」 失礼な話である。でもそれくらい、私の授業中の態度はよくなかったので…

なんと全校で〇番に!

入学した直後の実力テストが戻ってくる前、クラスの中ではその結果がどうなるか、結構話題になった。 なんせ、試験の結果が順位づけされるのである。学校全体で400人の生徒の中で。 当時は今のように中学受験がなく、大部分の者はそのような試験は受けたことがなかった。 だから、それによって、自分という人間が初めて評価されるようなものだった。 頭のよさそうな奴らが集まると、皆、クラスで一番成績がいいのは○○だ…

中学校の最初でつまづく

もう少し、私の背景を語ることを続けたい。 私の入学した中学校は1学年400人くらいのまあまあ大きな学校だった。 その中学校には、もともと私が通っていた小学校以外に周辺のいくつかの中学校から生徒が入ってきていた。 私が中学校に入学してすぐに思ったのは、厳しい学校だということだった。 明治の初めにできたその校舎は、文化財にも指定されるくらい古い建物だった。 中学校に入る前に、男子はみな丸坊主にされた…

祖父母に信頼されないっ!

それでは元に戻って、私の子ども時代のことを書く。 6年生になった。   前回、田舎なので中学受験はない、と書いたが、1つだけ例外があった。 それは県庁所在地に位置する我が県唯一の国立大学の付属中学の受験だった。 そこは高校がなく、中学校までだったが、県内の優秀な子供たちはこぞって受験した。 私も、受けてみようかなあと思った。 というのは、勉強をほとんどやっていないにもかかわらず、実力テストではい…

ある研修

この日記ではこのところ、私の子供時代からの経験を綴っているが、今回は、最近のことを書かせてもらう。いつもより長くて読みにくいが、御容赦願いたい。 先日、職場である研修があった。それはコミュニケーション研修。 仕事相手や職場内での意思疎通をよくしようということで、外部講師を呼んで行われた。 私は普段、職場では閉鎖的な部屋にひきこもっており、部屋を訪れる人たちと話すほか、積極的な人との対話がない。い…

学習塾に行っている奴らを見返してやるっ!

小学5年生頃になると、少数の子どもたちは学習塾に通うようになった。 といっても田舎のことである。中学受験があるわけではない。 でもなぜかその塾は評判で、頭の良い子も悪い子も、次第に行くようになった。 私の家は、両親ともに教員をやっていたため、そんなに裕福でないことはなかった。 だから、私も学習塾に行きたいと思った。 というのは、学校の勉強が詰まらなかったからだ。 学習塾に行けば、もっと高度の内容…

漢字練習ノート7冊半!

(前回からの続き)  漢字テストで名前を書き忘れ、零点をとった私に、先生はこう言ったのだ。 「あなたは罰として、冬休みの間、教科書に出てきた漢字を全部、10回ずつ書きなさい。」 私はげっと思った。これまで習った範囲は相当ある。当時の教科書は上下巻になっていたが、上巻全部と下巻の3分の1までやらねばならない。 そんな理不尽な宿題を出した先生に対し、私は抵抗することもしなかった。 その年の冬休みは私…

漢字テストで零点!

このところ、このブログの題名とちがって、私の小さい頃の勉強についての話に終始しているが、引き続き。 私が小学校4年生の時のことである。 私の担任の先生は、国語の単元がひとつ終わる都度、漢字の10問テストを実施した。 学期のうちに10回行い、学期の終わりには合計点の成績優秀者を表彰した。 私は相変わらず、ほとんど勉強というものをした覚えはなかったが、それでも、まあまあ良い点をとれ、1学期の時はクラ…

もしかして自分はテストはできるのでは?

私が生まれて初めて、おっ、自分も満更ではないな、と思ったのは・・・・ 小学校3年生の時だった。 私はいつもあまり試験の点数はよくなかった。勉強しないからである。 だがある時、先生がある変わったテストをした。 そのテストを見たとき、私はちょっと驚いた。 どれもこれも、知らない内容である。 これは私が授業を聞いていなかったからではない。 その範囲は、これから習うところだった。 当然、皆は驚いて、文句…

いじめられっ子だった

私は、小さい頃から人に馬鹿にされることが多かった。 親に放ったらかしにされていたからだ。 両親は共働きだった。私の面倒はだれもみない。いわゆる「カギっ子」だった。 着るものもいい加減。いつも同じ服をよれよれとしたまま着ていた。 それから、人の話を聞かないという悪い性癖があった。授業中、先生の言うことを聞かず、自分の世界に没頭していた。 また、先生の話を聞かないのでよく忘れ物をした。 すると、周り…

見返してやりたい

ううむ。書いているうちに、だんだん自分の不純な動機がわかってきた。 そうだ。私はいつも、誰かを見返してやりたいと思っているのだ。 相手は誰だろう。 会社の人たちか、家族や親戚か、高校や大学の友だちか。 う~ん。確かにそんな面もある。 会社では、こんな窓際のおっさんを相手にするものは誰もいない。 家族も、また私が変わったことを始めたくらいにしか思っておらず、 ましてや医学部か司法試験のどちらかに受…

受験を決意した理由

次に、受験を決意した理由である。 正直なところ、前回書いたように、退職後の再就職先探しという部分が大きい。   しかし、そのために、まず誰もが考えるのが会社のネットワークを使うこと。 私の働いているのは、それなりに大規模で有名なところである。 どうして頭の悪い自分がここに採用されたのかもわからない。 試験だけはまあまあできたので、そのせいかもしれない。 (頭の良さと試験の出来はあまり関係ないとい…

58歳の初老の男が医学部と司法試験の同時受験を決意した

さて、ブログを始めることにする。 現在、私は58歳のサラリーマン。既に窓際で、定年まであと1年半となった。 たいして頭はよくないが、地道にコツコツすることが好きである。 今後のことを考えた。退職しても再就職先はない。 庭の剪定や管理人、駐車場の整理くらいか。 まあそれは仕方ない。 仕事でシャカリキやってこず、専門知識も身につけていない自分には妥当だろう。 もちろん、そんな仕事もいざとなればやるつ…