受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

今が青春!?


そうして、私は勉強をとりあえず、軌道に乗せた。


4月末になると、寺本の3冊の参考書が届き(これだけはブックオフで見つからなかったため楽天で注文した)、司法試験の勉強体制も整った。
 


司法試験は、7科目。このためまず4科目を仕上げようと考え、寺本の3冊(憲法、民法、行政法)に加えて、刑法を始めることにした。


ブックオフで簡単なものはないかと探したところ、「郷原豊茂の刑法まるごと講義」というのがあった。200円で買えた。


実況中継形式だとまあ眠くならずに読める。しかも著者はヤンキーっぽく見えるが私と同じ歳だ。共感が持てる。
 


司法試験と医学部受験の科目を合わせ、1日8科目の勉強。しかも仕事をしながら・・・・修行僧のような生活である。


しかし、そうでもない。やろうと思えばなんとなくできてしまうことが分かった。
 


朝、5時半起床。法律を2科目やる。それぞれ30分ずつ。(だいたい4ページ分読む。章の区切りには寺本のビデオ講座にアクセス。)


それから、ヨガをやり、朝食を食べ、ネットを見てから出かける。
 


行き。


数学のチャートをやりながら駅まで歩く。(またはバスを使い、途中から歩く。)


電車の中では新聞をたっぷり時間をかけて読むとともに、小説を読む。



(仕事)



ランチ。食べながら小説を読む。ランチの往復でチャートをやる。



(仕事)



帰り。


電車の中では大宮の化学を30分(眺めるだけ)、村瀬の地理を30分(眺めるだけ)。


数学のチャートをやりながら駅から家まで歩く。(またはバスを使い、途中から歩く。)



帰宅後、風呂と食事。(ドラマかクイズを見る。)


休憩を入れながら、以下の3科目をやる。


法律を2科目をそれぞれ30分ずつやる。(だいたい4ページ分読む。章の区切りには寺本のビデオ講座にアクセス。)


漆原の物理を30分やる。(眺めるだけ。)
 


ネットをやりつつ、12時には就寝。
 


これが、次第にこなせだした。大変だとは思わなくなった。


なぜなら、やって楽しいからだ。


勉強内容もそうだが、もっと楽しいのは、自分が、限界に挑戦しようとしている、そのシチュエーションが楽しいのだ。
 


こんな気持ちになったのは久しぶりだ。思えば、自分は長い間に、この「挑戦する」という気持ちを忘れかけていた。


退職して、年金をもらって、1日の生活費をいくらにして・・・・そんなことばかり考えていた。
 


医学部にも司法試験にも、受かる可能性は少ない。


また、たとえ受かったとして、年を取ってから医師や弁護士になっても、やっていけるわけはない。


だが、今、とにかくチャレンジしていること自体に、やりがいと喜びを感じているのだ。私にとって、今が「青春」なのかもしれない。


ただしそれは必ず、「人のためになる」ということが前提ではあるが・・・・。