受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

終わった・・・・

試験が終わった。
楽観視した自分が馬鹿だった。


せっかく試験科目を数学から生物に乗り換えたものの、勉強し残していた部分からばかり出題された。
結果・・・・半分ほどしか点が取れなかった。
また、数学や化学はもっとひどい。
せいぜい4割ほどの出来だ。
特に化学は時間の配分をまちがえ、1問を丸々やり残してしまった。


ああ・・・・
どうやら受験老人のチャレンジは夢と消えてしまったようだ。


試験を甘く見すぎ、本番直前になってもなかなか勉強が進まなかった。
昨年も合格最低点を突破したのだからと、今年も大丈夫だと高をくくっていた。
まあ、この程度やれば大丈夫だろうと、一通りの勉強でお茶を濁した。


しかし、そう甘くなかったのだ。
大きな取りこぼしをいくつもした。
試験を終わってから後悔した。しかしもう遅い。
あとはただ、憂鬱な気持ちで試験結果を待つのみ・・・・。


ただ、受験老人には1つだけ、希望がある。
それは、今回の面接はある程度うまくやれたことだ。
いろいろなことを聞かれた。だがまずまず答えることができた。


「もし受かったら、他の受験生に比べ、人生としては先輩だが医学生としては同じだ。けっして年上だからと偉そうにせず、同じ仲間として接していきたい。むしろ、若い人たちが自分の姿を見て、あんな年寄りですら頑張っているのだから、若い自分たちもやれないはずがない、と励みにしてもらえたらいい。そのためにも自分は頑張る。」
この言葉に面接官たちは頷いてくれた。


やはり、この大学はよい大学だ。この大学を選んだことに間違いはなかったと思う。
ただ、ただ、試験がそもそも合格点に達しなかったら意味がない。恥ずかしいだけだ。


今回の試験、あまりやりきった感はない。
もし今年落ちたら、もう1回だけやってみよう。
しかしその時は、これが最後だと背水の陣を張ろう。