受験老人日記~高齢で医学部と司法試験に大挑戦~

還暦を迎えた男が、医学部と司法試験を同時に合格することを目指すという無謀な冒険に乗り出した

破綻をきたす

引き続き、中学校時代のこと。


勉強さえできれば誰にも文句はつけられない。意地でもトップを取り続け、誰からも文句は言わせない。


そのような意固地な私の姿勢が、とうとう破綻をきたしだした。



勉強さえできれば、生活態度は悪くったっていい、という姿勢である。


確かに他の生徒からは表面上、一目置かれていた。


いつも試験で1番をとる人、というレッテルが貼られた。


でも、それだけである。


あれだけだらしなく、態度が悪いと人間としては失格だな、という評価が後についた。



私はそんな評価を受けると、ますますムキになった。


ちくしょう、お前らは勉強もできないくせに、格好つけているんじゃねえ。


結果で勝負して見ろよ、という気持ち。


ただ一方で、自分が皆からいわゆる優等生に見られていることがわかり、


それなりに表面を繕って優等生っぽくふるまうことも覚えだした。


自分の心の底の気持ちとは裏腹に、皆で協力してやっていこうという態度を示そうとした。


本当は皆と仲良くしたり、他人のことを思いやったりなど、爪の先ほども思っていなかったのに・・・・。



そんなある日、道徳の時間。


授業中に意見を求められ、格好いいことを話してやろうと思った。


「・・・やはり、皆で一丸となって、協力してやっていくことが・・・・」


優等生っぽく、すごく立派なことを話しているという自己陶酔に陥っていた。


ところが、話していて、その先が急にでなくなった。


なぜか、ものすごい緊張したのである。


自分が、自分でないように思えた。


私の会話は途中で途切れ、そのままガタガタ震えながら座った。